昭和の色街から現代のAV業界まで：日本の風俗・赤線・青線の歴史とは

日本の風俗業界の歴史は、昭和の色街から現代のAV業界まで、変遷と発展を遂げてきました。


まず昭和の色街とは、特に戦前から戦後にかけて栄えた赤線、青線地区を指します。

赤線地区とは、当時公的に認可されていた遊郭地区のことで、ここでは売春行為が合法的に行われていました。

一方、青線地区とは通称で、実際には公的な認可を受けていないものの、ある程度の黙認状態にあった風俗街を指します。


赤線、青線地区は地元経済の一部となっていましたが、売春防止法の施行により1958年には全国的に衰退し、廃止されることとなります。

しかし、これによって売春行為が地下に潜り、風俗業界の形態が多様化しました。


そして70年代に入ると、成人映画が普及し始め、80年代にはビデオ時代を迎え、これが現代のAV業界の原型となります。

AV業界は、成人映画から派生した形でございますが、その歴史は単なるエロティシズムの発展だけではなく、女性の性に対する風俗や観念が変化してきたことを映し出しています。


また、90年代以降のインターネットの普及、携帯電話やスマートフォンの進化と共に、デリバリーヘルスやインターネットを通じた風俗サービスなど、新たな形の風俗業が次々と誕生しました。

これらもまた、時代のニーズや技術の進化により生まれた新たな形の風俗業と言えます。


以上のように、戦前の赤線、青線地区から始まり、現代のAV業界まで、日本の風俗業界は様々な変遷を経てきました。

その過程は時代背景や技術進化、そして性観念の変遷と密接に結びついています。
 

AVと風俗の裏教養　-　赤線・青線とは？徹底解明

赤線と青線は現在、地籍調査の用語として使われていますが、かつて日本では全く違う意味を持つものでした。

地籍調査における赤線と青線は、それぞれ地番の無い認定外道路と水路を示すものです。

ところがかつての赤線・青線は、1946年に廃止されるまで存在していた日本の公娼制度と深く関連がありました。


その始まりを探るためには、日本の公娼制度の始まりを確認する必要があります。

それは、公認された娼婦、すなわち公娼の存在によって成り立っていました。

公娼の歴史は古く、鎌倉幕府時代にすでに存在していました。

公的な宴会で待遇を務める遊女を管理して、必要に応じて集める遊君別当という職務が存在していたのです。

さらに室町幕府では傾城局という組織を設置して、宿場町の遊女を管理して税金を徴収していました。


そんな公娼制度が特に認知されるようになったのは、豊臣秀吉の時代です。

大阪や京都に遊郭（遊女が集まる場所）が法的に認可され、公娼制度が本格的に始動しました。

その後、江戸時代に入ると吉原、新地、島原という三大遊郭が成立します。

これらの遊郭は塀や堀に囲まれ、外部世界と遮断されていました。

位の高い遊女たちは太夫や花魁と呼ばれ、その高貴な立場から簡単には接することができませんでした。


その後、明治時代に入り公娼制度の廃止の動きが広まりますが、遊郭自体はその頃も存続していました。

公娼制度が実際に廃止されたのは、第二次世界大戦後のことです。

それに伴い、かつての公娼制度の名残とも言える赤線・青線が誕生しました。


具体的には、赤線は売春を公認していたエリアを示し、元々は地図上でそのエリアを赤く囲って表記したことからその名がついたと考えられています。

一方、青線は私娼街を指し示し、これも地図上で囲いを青く描いたことからその名がついたのです。

赤線・青線の存在は、戦後の特殊な歴史文化を今日に伝えています。
 

忘れられた日本の風俗史：赤線・青線の消滅まで

赤線と青線、これらはかつての日本の風俗産業を象徴する言葉で、当時、売春業者および売春婦の活動が許された地域を指していました。

しかし、その歴史は1957年に施行された売春防止法により一変しました。

当法の施行により、赤線・青線は完全にその姿を消しました。


しかし、この制度が施行された直後にすぐに売春がなくなったわけではありません。

売春防止法の施行時には約1800の赤線地域が全国に存在し、そこにいた業者は約39000件、売春婦は合計で12万人にも及ばれました。

考えようによれば、この数字は当時の女性の生きる道が限られていたことを示す強い証拠でもあります。


一方で、売春防止法は1年間の猶予期間を設けました。

これは、娼婦として生きる他に道がない女性が少なからず存在したためで、この期間を設けることで、彼女たちが新たな生計を立てる時間を確保する意図があったと考えられます。


そして、1958年に売春防止法が完全施行され、売春は完全に非合法行為となりましたが、それはさながら雪が消えて河に流れるように静かに起こりました。


売春防止法の施行に伴い、多くの女性が他の風俗業に転身しました。

特に人気があったのは、現在のソープランドの前身となるトルコ風呂でした。

ただし、1964年東京オリンピックの開催に向けて、その取り締まりは年々厳しさを増していき、"本番"は行われなくなりました。


その後、トルコ共和国出身者からトルコ風呂という名前を不満とする声が上がり、1984年に名称がソープランドへと変わったという歴史があります。

現在のソープランドは公衆浴場法にも従う公衆浴場施設であり、その中で異性の客に性的サービスを提供しています。

このサービスは、所定の料金で、女性の裁量に任せて行われます。


そしてここからがソープランドの特徴とも言えますが、これは売春ではなく、法律上も違法ではないとされています。

入浴料とサービス料は別、業者は個人事業主として運営しているため、正確には性的サービスを提供して報酬を得るという行為が行われているのです。


現在では、過去のAV女優がソープ嬢になったり、ソープ嬢からAV女優になる人もいます。

売春防止法の施行から60年以上経過し、風俗産業も大きく変化しましたが、その歴史と現状を理解することで、日本社会の一面を知るための大切な鍵となります。

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